【PJCS2024 本戦 最終148位】晴れ雪ワンダールームレジアイス【SVダブル】

初めまして。アアーカと申します。

 

今回PSCS2024本戦にて最終148位を達成することができました。

決勝進出には至らない結果でしたが、ワンダールームというなかなか採用されない技を採用し、結果を残すことができましたので構築記事として公開させていただきます。

レジアイスでど忘れを積んだ後にワンダールームを使用すると、ボディプレスにDのランク上昇の補正が乗るという仕様を活かしたコンボ構築になっています。

レンタルパーティーも公開しておりますので、興味を持って貰えた方は一度お試しください。

 

 

 

【構築経緯】

PJCS2024第3回予選をレジスチル要塞化構築(https://sitpoke.hatenablog.com/entry/2024/02/05/182821を参考に作成した構築)で突破したものの、レートが高い相手には明確に勝率が低かった。処理ルートが明確に構築に組み込まれている、または積み筋への理解が深いプレイヤーには不利な択に勝たないと勝利できない構築であり、猛者しかいないPJCS本戦には適していないと考え、新たに構築を組み直しました。

レジスチル構築が自分のプレイスタイルにあった理由として

・明確な勝ち筋があり、勝ち筋・負け筋がわかりやすい

・有利不利がはっきりしているため、相手の選出が読みやすい

・ボディプレスが威嚇無効の物理技で、威嚇に頼った物理対策を突破できる

などが挙げられ、条件に当てはまる構築を考えました。

また、本戦の大会ルールがクローズドシート、BO1、最大20試合ということもあり、相手のゲームプランを崩す要素を組み込んだ構築の方が勝ちに繋がる=初見殺しギミックを採用したい。

そこで白羽の矢が立ったのがレジアイス

数値として優秀な数値を持っており、今作からボディプレスを習得しました。

ただBの種族値が100と高いとは言えず、雪の防御上昇もボディプレスには乗らない。グラスシードでBを上げてサブウェポンとして使われている構築を見たことがある程度です。

そこでワンダールームとド忘れを組み合わせたギミックを考案。

あまり知られていないワンダールームの仕様として、ボディプレス時の火力はBの実数値とDの能力ランクを参考にするというものがあり、ド忘れを積み、ワンダールームを張って全てを破壊するというプランです。

ワンダールーム中は耐久面でもBとDの実数値は入れ替わるものの、能力ランクは入れ替わらない。しかし雪下でのB上昇はD上昇として扱われるなど、仕様面でも非常に複雑な点があり、相手の理解が不十分な場合にプレミを誘って勝ちを掴むということもあり得ます。(PJCS本戦の直前で最強メガニウム対策でワンダールームが使われて、仕様が広まるのではとヒヤヒヤしましたが・・・)

雪パはオーロラベールの存在もあり、積み技との相性も良い点も評価し、アローラキュウコンレジアイスユクシーの3匹からスタートして構築を組み始めました。

ただ、吹雪連打のフリーザー軸の雪パが流行したこともあり、ヒスイウインディのような炎のタイプのアタッカーの採用が増えている等、このギミックで多くの相手と戦える環境ではありませんでした。ギミックにかかる手数も多く、むしろサブプラン的に特定の相手に対して出すタイプのギミック。

そこで、いくつかの勝ち筋にスイッチし、相手をするとキツい構築を減らすよりも有利な構築を増やす方向性で考え、裏選出としてコータス・トドロクツキ・ハバタクカミを採用した古代晴れパを採用。

・ワンダールームボディプレス

・雪パとしての吹雪連打

・古代晴れパとしてのメガネ古代活性マジシャ

トリックルームからのふんかコータス

などのプランを相手に応じて変えられるようにしました。

ワンダールーム以外は選出段階での圧もあり、全て天候に依存しているので、複数のプランを採用している割には相手の選出を読みやすく、ゲームプランを通しやすいという点において有用に働いたと思います。

【パーティー紹介】

キュウコンアローラのすがた

ラスタル:ほのお

持ち物:ひかりのねんど

性格:おくびょう

特性:ゆきふらし

努力値:244-0-4-4-4-252

技:ふぶき オーロラベール まもる てだすけ

雪ふらし要因。オーロラベールは相手がめちゃくちゃ警戒してくれるので、壁貼り役よりも囮としての方が機能した。打った回数が一番多かった技は守る。レジアイス先発の時に裏から出してBを上げることもできる。壁を貼れた時にはある程度長期戦になることが多いため、ひかりのねんどを採用した。物理相手に受け出しすることも多いため、ゴツゴツメットと最後まで悩んでおり、ウーラオスのタスキを潰せるなどの利点は捨てがたかったが、ワンダールーム中にレジアイスが殴り続けられるようにねんどにした。てだすけはオーロラベールケアで上から殴られる時に手助けハバタクカミで相手を倒したり、ゲーム後半の上から倒されるのが確定した場面でも仕事ができるのが偉かった。

レジアイス

ラスタル:かくとう

持ち物:たべのこし

性格:ずぶとい

特性:アイスボディ

努力値:236-0-252-4-4-12

技:ボディプレス ド忘れ ふぶき まもる

ボディプレス軸のエースとしてHB。Sは4振りドドゲザンの上を確実にとりたいため。相手が物理で殴ってくるため、雪が降ってないときは守るか、横のハバカミで相手を倒してド忘れする。実は雪下ではDよりもBの方が高い。テラスを切ると雪のB上昇の恩恵を受けられないため、守りのテラスは基本切らない。最後まで切るタイミングがなかった時にボディプレスの火力を上げる目的で切る。本戦でも少し威力が足りない悪ウーラオスを落とすためと、水テラスディンルーとラスト1タイマンになった時の2回切った。

瞑想で突破しようとするフェアリーテラスタケルライコが多かったが、ワンダールームボディプレスで全員叩きのめしてくれた。雪のB上昇は鉄壁と違って急所で貫通できないため、テラス切ってD上昇吹雪半減で突破しようとしてくる水オーガポンに対しても安定して勝てたのが偉い。ポケモンとしてのポテンシャルは十二分に感じた。

 

ユクシー

ラスタル:悪

持ち物:オボンのみ

性格:ずぶとい

特性:ふゆう

努力値:244-0-252-0-12-0

技:ワンダールーム あくび トリックルーム イカサマ

ワンダールーム始動役。ワンダールームを覚えるポケモンの中で一番耐久が高く、技も優秀。Sがそこそこ早いので、安定してワンダールームを打て、そのターンに急に火力が上がったボディプレスでレジアイスが攻撃できるので、相手の意識外から致命傷を与えられる。オボンのみ込みで、受け出しからでも安定して仕事ができる。

晴れパでもトリックルームの始動役として活躍し、あくびがあるので腐ることが少なく、後続の着地にも繋げやすい。

イカサマはちょうはつを打たれた時とやることがない時に打つ。つるぎのまいをしてきた炎オーガポンのツタこんぼうをギリギリ耐えてイカサマで返してくれたりと、マイナーポケモンとは思えない程の良い仕事をしてくれた。

悪ウーラオス対面になってしまったらワンダールームやトリックルームを通したいために大体テラスを切るしかないが、イカサマの火力も上がるため、意外と悪くない選択肢だと感じた。

バトルデータベースでの技の使用率では、この構築を組むまではワンダールームは圏外だったが、現在6位、同じチームの1〜3位がハバカミ、アローラキュウコンレジアイスと、今期一番ユクシーを活かした構築だったと思う。

・ハバタクカミ

ラスタル:みず

持ち物:こだわりメガネ

性格:ひかえめ

特性:こだいかっせい(Cブースト)

努力値:20-0-28-252-4-204

技:マジカルシャイン ムーンフォース シャドーボール テラバースト

この構築の最強ポケモン。選出率100%。雪選出対策で出てくる炎、岩タイプをメガネ水テラバーストでワンパンする。雪選出では大体初手に出して、一匹持って行けそうなら初手テラスする。水テラバーストはほぼ警戒されなかったので、炎対策枠として水ウーラオスを使っていた時は交代されていた相手をワンパンし、雪軸で攻める動きを通しやすかった。チョッキ以外のガオガエンもワンパンできるし、スカーフ水流連打もS上昇ウガツホムラのヒートスタンプも半減で耐えられるので、環境にマッチしていた。ゴリランダーとタケルライコで縛られるが、それらには雪軸が相性有利のため、特に困らなかった。テラスを切るとレジアイスに対しての格闘技読みで交代出しの選択ができなくなるため、悪ウーラオスがいて水テラスを切る時はオーロラベールをなるべく張れるように立ち回りたい。一回だけ初手のキラフロルが水テラスを切ってきてテラバーストをすかされたが、隣はトドロクツキで水テラスを切る理由もなかったため、ランクで試運転してた時に当たってバレてたんだと思う。

・トドロクツキ

ラスタル:ほのお

持ち物:こだわりハチマキ

性格:ようき

特性:こだいかっせい(Sブースト)

努力値:36-220-0-0-0-252

技:はたきおとす テラバースト ドラゴンクロー アイアンヘッド

サーフゴー対策枠かつ晴れパのエース。サーフゴー相手は鋼テラスサーフゴーは炎テラバーストで突破でき、フェアリーテラスサーフゴーはアイアンヘッドで突破できるので、悪巧みを積まれてもケアできる。サーフゴーがいる時はほぼ晴れ選出をするが、サーフゴー以外に雪軸を止められるポケモンがいない場合、初手トドロクツキに炎テラスを切って強引にサーフゴーを突破。もしくは引き先に大打撃を与えてそのまま雪選出で詰めることもできる。ハバカミイーユイには炎テラスを切り、裏からコータスを投げて古代活性を発動させて凍える風のSダウンを相殺し、ドラゴンクローでイーユイを落とす。

ウガツホムラ相手もドラゴンクローで耐久無振りならちょうど確定1発。少し削っておけばSブースト耐久振りでも晴れ下で上から倒せるので、ワイドブレイカーよりも優先して採用したい。晴れ選出の場合ライコが重いので、わりとフェアリーテラス読みでアイアンヘッドをぶっ放してた。そのせいか、電気テラスライコ相手はほぼ負けた。

コータス

ラスタル:ほのお

持ち物:もくたん

性格:れいせい

特性:ひでり

努力値:252-0-0-252-4-0

技:ふんか ねっぷう クリアスモッグ てだすけ

晴れ始動兼トリルエース。サポートもトリルエースもできるのが優秀で、晴れ下で守っているぐらいなら殴るかてだすけする方が強いと思い、晴れ軸は全員守るは不採用。寿司構築がメジャーな中だと最もきつく、寿司対策にクリアスモッグを採用したが、本戦ではきっちりケアされ全敗。他には瞑想を積むライコに1回打っただけだった。寿司を完全に諦めて、トリル下コータスミラーや電気テラスライコに対応できるようになる大地の力を採用してもいいかもしれない。コータスがいるおかげで晴れ構築のユクシーが役割を持てるし、他のトリルパやモロバレルにも強いのが構築の完成度を上げてくれている。

【基本選出・立ち回り】

・ワンダールームボディプレス

初手 レジアイス+ハバタクカミ

後発 アローラキュウコンユクシー

雪軸対策枠が絶対に出てくるので、ハバカミでそいつをワンパンしてド忘れを積む。

雪でBを上げている間にさらにド忘れを積んで、ワンダールームボディプレスで全てを破壊する。食べ残しとアイスボディ、守るで弱点を突かれても1発ぐらいは大丈夫なので、わりと強気に積んで良い。

エカシラやブリジュラス雨パ、アカツキガチグマトリルなど、特殊エースの構築には全勝。タキオンカッターも怖くないし、相手は吹雪が通らないと思って悠長な行動をしてきたら詰み状況といった展開が多かった。トルネロスが初手に出てくる時は、初手にアロキュウを出してから即引き、トルネロスに追い風をする暇を与えずにハバカミを通す動きが安定した。

・雪パとしての吹雪連打

初手 アローラキュウコンレジアイス

後発 ハバタクカミ+トドロクツキ

手動天候操作がなさそうで、雪軸に対して手薄なスタンパなどに出す。

期待値的には3ターン吹雪連打すると5割弱の確率でどちらかが凍るため、脳死で吹雪を打っても勝てたりする。後発がこだわり2枚なのが動きづらいので、レジアイスを裏に置いて引き先を確保することも多い。オーロラベールのおかげで行動保証があるのが強い。ガオガエンだけ初手ハバカミ水テラスで倒してこの展開に行くことも多い。

・メガネ古代活性マジシャ

初手 コータス ハバタクカミ

後発 トドロクツキ@1

メガネ活性マジシャで大体吹き飛ばせそうな時。

1試合だけエルテラ相手に手助けマジシャ撃ってるだけで終わった試合もあった。

フェアリーテラスではないので、ちょっと火力が足りないこともあるが、水テラスしといたら鋼技とかパオジアンのつららとか耐えてコータスと合わせて殲滅とかもあったので、完全にフェアリーテラスの下位互換というわけでもなさそう。

相手も雨か砂の天候に依存してて、天候の取り合いになりそうならアロキュウを出しても良い。相手からしたらオーロラベールケアのために天候技使わないといけないけど、その次のターンに交代で晴れが始動できる展開も強い。

トリックルームからのふんかコータス

初手 ハバタクカミ+トドロクツキ

後発 ユクシーコータス

一番対応力があって強い。迷ったらこれで良い。半分以上はこの選出だったと思う。

2枚で殴っても良いし、どちらかをコータスに引いて、古代活性を発動させて殴っても強い。ふんかが通らない炎、岩タイプは雪軸対策で初手に来やすいので、ハバカミ水テラバで飛ばしたり、トリルが通りそうでテラスをコータスに残したい時はふんか圏内に削って大人しくユクシーを死に出し。水ウーラオスも初手に出されることが多いので、その時はトドロクツキをコータス引き安定。水テラスハバタクカミのムーンフォースで水テラスウーラオスを確1、マジシャでも相手が耐久無振りなら高乱数1。

初手の2枚で荒らせるとふんかじゃなくて熱風でも十分勝てる。トリルを無理に通さず、ユクシーをひたすらクッションにしてサイクルしても強い。エルフーンが重たいので、エルフーン相手は初手にユクシーでトリルをして、コータスで無理やり突破していた。

【総括】

寿司に圧倒的に弱いなどの穴はいくつかあったものの、有利対面も多く、相手によっては選出段階でほぼ詰んでいるような構築もあるなど、相性が良ければ格上にも勝てる構築ができました。

SM時代の限界雨構築のような、無理な相手には無理だが、勝てる相手には圧倒的有利を作れる構築というのは環境次第ではトップメタにもなり得る構築だと考えています。

今回の構築はBO1に特化したもので、ワンダールームがあまり知られていないかつ水テラスハバタクカミが機能したからこその強さではあると思いますが、一つの可能性は示せたと思います。

ワンダールームという非常に面白い仕様を持った技を使った構築を使用し、一定の結果を出すことができたことで、これを機にさらにこの技の研究が進んでいってもらえればありがたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。